このごろは通っていた恋人たちとも双方の事情から
関係が絶えてしまったのも多かったし、
それ以下の軽い関係の恋人たちの家を訪ねて行くようなことにも、
もうきまりの悪さを感じる源氏であったから、
余裕ができてはじめてのどかな家庭の主人《あるじ》になっていた。
兵部卿《ひょうぶきょう》の宮の王女の
幸福であることを言ってだれも祝った。
少納言なども心のうちでは、
この結果を得たのは祖母の尼君が姫君のことを祈った熱誠が
仏に通じたのであろうと思っていた。
父の親王も朗らかに二条の院に出入りしておいでになった。
夫人から生まれて大事がっておいでになる王女方に
たいした幸運もなくて、
ただ一人がすぐれた運命を負った女と見える点で、
継母にあたる夫人は嫉妬を感じていた。
紫夫人は
小説にある継娘《ままこ》の幸運のようなものを 実際に得ていたのである。
🌸🎼 優しい日だまりと静寂(The calm and quiet sunny place)🌸 music by 蒲鉾さちこ
少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷
https://syounagon-web-1.jimdosite.com
💠聴く古典文学📚少納言チャンネルは、聴く古典として動画を作っています。チャンネル登録お願いします🌷
[rakuten:f192015-kofu:10001196:detail]