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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

野の宮 御息所との別れ【源氏物語195 第十帖 賢木7】去り難い源氏。松虫の声が聞こえるも別れの伴奏のようである。

若い殿上役人が始終二、三人連れで来ては

ここの文学的な空気に浸っていくのを喜びにしているという、

この構えの中のながめは源氏の目にも確かに艶なものに見えた。

あるだけの恋の物思いを

双方で味わったこの二人のかわした会話は写しにくい。

ようやく白んできた空がそこにあるということも

わざとこしらえた背景のようである。

暁の別れはいつも露けきを

こは世にしらぬ秋の空かな

と歌った源氏は、

帰ろうとしてまた

女の手をとらえてしばらく去りえないふうであった。

冷ややかに九月の風が吹いて、

鳴きからした松虫の声の聞こえるのも

この恋人たちの寂しい別れの伴奏のようである。

何でもない人にも身にしむ思いを与える

こうした晩秋の夜明けにいて、

あまりに悲しみ過ぎたこの人たちはかえって実感を

よい歌にすることができなかったと見える。

大方《おほかた》の秋の別れも悲しきに

鳴く音《ね》な添へそ野辺《のべ》の松虫

御息所の作である。

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