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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語181 第九帖 葵 54】源氏は、女王の機嫌を取るものの 恨めしく思っているようで一言も口を聞かない。

源氏にそんな心のあることを

紫の君は想像もして見なかったのである。

なぜ自分はあの無法な人を信頼してきたのであろうと思うと

情けなくてならなかった。

昼ごろに源氏が来て、

「気分がお悪いって、どんなふうなのですか。

 今日は碁もいっしょに打たないで寂しいじゃありませんか」

のぞきながら言うと

ますます姫君は夜着を深く被《かず》いてしまうのである。

 

女房が少し遠慮をして遠くへ退《の》いて行った時に、

源氏は寄り添って言った。

「なぜ私に心配をおさせになる。

 あなたは私を愛していてくれるのだと信じていたのに

 そうじゃなかったのですね。

さあ機嫌をお直しなさい、皆が不審がりますよ」

夜着をめくると、女王は汗をかいて、

額髪もぐっしょりと濡れていた。

「どうしたのですか、これは。たいへんだ」

いろいろと機嫌をとっても、

紫の君は心から源氏を恨めしくなっているふうで、

一言もものを言わない。

 

「私はもうあなたの所へは来ない。

 こんなに恥ずかしい目にあわせるのだから」

源氏は恨みを言いながら硯箱をあけて見たが

歌ははいっていなかった。

あまりに少女《おとめ》らしい人だと可憐に思って、

一日じゅうそばについていて慰めたが、

打ち解けようともしない様子が

いっそうこの人をかわゆく思わせた。

 

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