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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

訪れぬ夫を恨めしく思う妻【源氏物語101 第七帖 紅葉賀3】源氏は一人で悩んでいる態度が嫌で つい浮気な心になるが、心では尊重している。

それがあってから藤壺の宮は宮中から実家へお帰りになった。

逢う機会をとらえようとして、

源氏は宮邸の訪問にばかりかかずらっていて

左大臣家の夫人もあまり訪わなかった。

その上 紫の姫君を迎えてからは、

二条の院へ新たな人を入れたと伝えた者があって、

夫人の心はいっそう恨めしかった。

 

真相を知らないのであるから恨んでいるのがもっともであるが、

正直に普通の人のように口へ出して恨めば自分も事実を話して、

自分の心持ちを説明もし慰めもできるのであるが、

一人でいろいろな忖度をして恨んでいるという態度がいやで、

自分はついほかの人に浮気な心が寄っていくのである。

 

とにかく完全な女で、欠点といっては何もない、

だれよりもいちばん最初に結婚した妻であるから、

どんなに心の中では尊重しているかしれない、

それがわからない間はまだしかたがない。

将来はきっと自分の思うような妻になしうるだろうと源氏は思って、

その人が少しのことで

源氏から離れるような軽率な行為に出ない性格であることも

源氏は信じて疑わなかったのである。

永久に結ばれた夫婦としてその人を思う愛には

また特別なものがあった。

 

若紫は馴《な》れていくにしたがって、

性質のよさも容貌の美も源氏の心を多く惹《ひ》いた。

姫君は無邪気によく源氏を愛していた。

家の者にも何人《なにびと》であるか知らすまいとして、

今も初めの西の対《たい》を住居《すまい》にさせて、

そこに華麗な設備をば加え、 自身も始終こちらに来ていて

若い女王を教育していくことに 力を入れているのである。

手本を書いて習わせなどもして、

今までよそにいた娘を呼び寄せた善良な父のようになっていた。

 

事務の扱い所を作り、

家司《けいし》も別に命じて貴族生活をするのに

何の不足も感じさせなかった。

しかも惟光《これみつ》以外の者は

西の対の主の何人《なにびと》であるかを

いぶかしく思っていた。

女王は今も時々は尼君を恋しがって泣くのである。

源氏のいる間は紛れていたが、

夜などまれにここで泊まることはあっても、

通う家が多くて日が暮れると出かけるのを、

悲しがって泣いたりするおりがあるのを源氏はかわいく思っていた。

 

二、三日御所にいて、そのまま左大臣家へ行っていたりする時は

若紫がまったくめいり込んでしまっているので、

母親のない子を持っている気がして、

恋人を見に行っても落ち着かぬ心になっているのである。

僧都《そうず》はこうした報告を受けて、

不思議に思いながらもうれしかった。

尼君の法事の北山の寺であった時も

源氏は厚く布施《ふせ》を贈った。

 

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💠源氏物語 第七帖 紅葉賀💠(前半) 

世間は朱雀院で開かれる紅葉賀に向けての準備でかまびすしい。 

桐壺帝は最愛の藤壺が懐妊した喜びに酔いしれ、

 一の院の五十歳の誕生日の式典という慶事を

より盛大なものにしようという意向を示しているため、

臣下たちも舞楽の準備で浮き立っている。

 ところが、それほどまでに望まれていた藤壺の子は桐壺帝の御子ではなく、

 その最愛の息子光源氏の子であった。

 このことが右大臣側の勢力、特に東宮の母で藤壺のライバル、

 また源氏の母を迫害した張本人である弘徽殿女御に発覚したら

二人の破滅は確実なのだが、

 若い源氏は向こう見ずにも藤壺に手紙を送り、

また親しい女官を通して面会を求め続けていた。

 一方で、藤壺は立后を控え狂喜する帝の姿に罪悪感を覚えながらも、

 一人秘密を抱えとおす決意をし、

源氏との一切の交流を持とうとしない。 

源氏はそのため華やかな式典で

舞を披露することになっても浮かない顔のままで、

 唯一の慰めは

北山から引き取ってきた藤壺の姪に当たる少女若紫(後の紫の上)の

 無邪気に人形遊びなどをする姿であった。 

帝は式典に参加できない藤壺のために、 

特別に手の込んだ試楽(リハーサル)を宮中で催すことに決める。 

源氏は青海波の舞を舞いながら御簾の奥の藤壺へ視線を送り、

 藤壺も一瞬罪の意識を離れて源氏の美貌を認める。

 源氏を憎む弘徽殿女御は、舞を見て 

「まことに神が愛でて さらわれそうな美しさだこと。おお怖い。」

と皮肉り、

 同席していたほかの女房などは

「なんて意地の悪いことを」と噂する。 

紅葉の中見事に舞を終えた翌日、

源氏はそれとは解らぬように藤壺に文を送ったところ、

思いがけず返事が届き胸を躍らせた。

 五十の賀の後、源氏は正三位に。

頭中将は正四位下に叙位される。

この褒美に弘徽殿女御は「偏愛がすぎる」と不満を露わにし、

東宮に窘められる。

 翌年二月、藤壺は無事男御子(後の冷泉帝)を出産。

 桐壺帝は最愛の源氏にそっくりな美しい皇子を再び得て喜んだが、

それを見る源氏と藤壺は内心罪の意識に苛まれるのだった。

 

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