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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

末摘花は紅花 赤いはな🌷【源氏物語98 第六帖 末摘花18完🌸】若紫とひな遊びや絵を描いたりする中 源氏は 鼻を赤く塗ってふざけていた

 

「春になったのですからね。今日は声も少しお聞かせなさいよ、

 鶯《うぐいす》よりも何よりもそれが待ち遠しかったのですよ」

と言うと、

「さへづる春は」

(百千鳥《ももちどり》囀《さへづ》る春は物ごとに 改まれどもわれぞ古《ふ》り行《ゆ》く)

とだけをやっと小声で言った。

 

「ありがとう。二年越しにやっと報いられた」

と笑って、

「忘れては夢かとぞ思ふ」

という古歌を口にしながら 帰って行く源氏を見送るが、

口を被《おお》うた袖の蔭《かげ》から 例の末摘花が赤く見えていた。

見苦しいことであると歩きながら源氏は思った。

 

二条の院へ帰って源氏の見た、

半分だけ大人のような姿の若紫がかわいかった。

紅《あか》い色の感じはこの人からも受け取れるが、

こんなになつかしい紅もあるのだったと見えた。

無地の桜色の細長を柔らかに着なした人の

無邪気な身の取りなしが美しくかわいいのである。

昔風の祖母の好みで

まだ染めてなかった歯を黒くさせたことによって、

美しい眉《まゆ》も引き立って見えた。

 

自分のすることであるが

なぜつまらぬいろいろな女を情人に持つのだろう、

こんなに可憐《かれん》な人とばかりいないでと

源氏は思いながらいつものように《ひな》遊びの仲間になった。

紫の君は絵をかいて彩色したりもしていた。

何をしても美しい性質がそれにあふれて見えるようである。

源氏もいっしょに絵をかいた。

髪の長い女をかいて、鼻に紅をつけて見た。

絵でもそんなのは醜い。

源氏はまた鏡に写る美しい自身の顔を見ながら、

筆で鼻を赤く塗ってみると、

どんな美貌にも赤い鼻の一つ混じっていることは 見苦しく思われた。

若紫が見て、おかしがって笑った。

「私がこんな不具者になったらどうだろう」

と言うと、

「いやでしょうね」 と言って、

しみ込んでしまわないかと紫の君は心配していた。

源氏は拭《ふ》く真似《まね》だけをして見せて、

「どうしても白くならない。ばかなことをしましたね。

 陛下はどうおっしゃるだろう」

まじめな顔をして言うと、

かわいそうでならないように同情して、

そばへ寄って硯《すずり》の水入れの水を檀紙《だんし》にしませて、

若紫が鼻の紅を拭く

平仲《へいちゅう》の話のように

 墨なんかをこの上に塗ってはいけませんよ。

 赤いほうはまだ我慢ができる」

こんなことをしてふざけている二人は若々しく美しい。

 

初春らしく霞《かすみ》を帯びた空の下に、

いつ花を咲かせるのかとたよりなく思われる木の多い中に、

梅だけが美しく花を持っていて 特別なすぐれた木のように思われたが、

緑の階隠しのそばの紅梅はことに早く咲く木であったから、

枝がもう真赤《まっか》に見えた。

「くれなゐの 花ぞあやなく 疎《うと》まるる

 梅の立枝《たちえ》は なつかしけれど」

そんなことをだれが予期しようぞと 源氏は歎息《たんそく》した。

末摘花、若紫、 こんな人たちはそれからどうなったか。

(訳注) この巻は「若紫」の巻と同年の一月から始まっている。

〜末摘花 (すえつむはな)完〜

 

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【源氏物語 第六帖 末摘花】

乳母子の大輔の命婦から亡き常陸宮の姫君の噂を聞いた源氏は、

「零落した悲劇の姫君」という幻想に憧れと好奇心を抱いて求愛した。

親友の頭中将とも競い合って逢瀬を果たしたものの、

彼女の対応の覚束なさは源氏を困惑させた。

さらにある雪の朝、姫君の顔をのぞき見た光源氏はその醜さに仰天する。

その後もあまりに世間知らずな言動の数々に辟易しつつも、

源氏は彼女の困窮ぶりに同情し、 また素直な心根に見捨てられないものを感じて、

彼女の暮らし向きへ援助を行うようになった。

二条の自宅で源氏は鼻の赤い女人の絵を描き、

さらに自分の鼻にも赤い絵の具を塗って、若紫と兄妹のように戯れるのだった。

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このやばい人が平中こと平貞文 たいらのさだふみ 平の中納言で平中‥😅