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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

源氏 強行突破💦【源氏物語88 第6帖 末摘花8】源氏は常陸宮の姫に声をかけても返事がない。見かねて侍従という女房が代わりに返事をする。源氏 強引な手段に出る


いくそ度《たび》 君が沈黙《しじま》に 負けぬらん

 物な云《い》ひそと 云はぬ頼みに  

 言いきってくださいませんか。

 私の恋を受けてくださるのか、受けてくださらないかを」

 女王の乳母の娘で 侍従という気さくな若い女房が、

見かねて、女王のそばへ寄って女王らしくして言った。

「鐘つきて とぢめんことは さすがにて

 答へまうきぞ かつはあやなき」

若々しい声で、

重々しくものの言えない人が 代人でないようにして言ったので、

貴女《きじょ》としては甘ったれた態度だと源氏は思ったが、

はじめて相手にものを言わせたことがうれしくて、

 

「こちらが何とも言えなくなります、

云《い》はぬをも 云ふに勝《まさ》ると 知りながら

 押しこめたるは 苦しかりけり」

いろいろと、それは実質のあることではなくても、

誘惑的にもまじめにも源氏は語り続けたが、

あの歌きりほかの返辞はなかった、

こんな態度を男にとるのは

特別な考えをもっている人なんだろうかと思うと、

源氏は自身が軽侮されているような口惜しい気がした。

その時に 源氏は女王の室のほうへ

襖子《からかみ》をあけてはいったのである。

 

命婦はうかうかと油断をさせられたことで女王を気の毒に思うと、

そこにもおられなくて、

そしらぬふうをして自身の部屋のほうへ帰った。

侍従などという若い女房は光源氏ということに好意を持っていて、

主人をかばうことにもたいして力が出なかったのである。

 

こんなふうに何の心の用意もなくて結婚してしまう女王

同情しているばかりであった。

女王はただ羞恥の中にうずもれていた。

源氏は結婚の初めのうちはこんなふうである女がよい、

独身で長く大事がられてきた女はこんなものであろうと

酌量《しゃくりょう》して思いながらも、

手探りに知った女の様子に腑《ふ》に落ちぬところもあるようだった。

 

愛情が新しく湧《わ》いてくるようなことは少しもなかった。

歎息《たんそく》しながらまだ暁方に帰ろうと源氏はした。

命婦はどうなったかと一夜じゅう心配で眠れなくて、

この時の物音も知っていたが、黙っているほうがよいと思って、

「お送りいたしましょう」と挨拶の声も立てなかった。

源氏は静かに門を出て行ったのである。

 

【源氏物語 第六帖 末摘花】

乳母子の大輔の命婦から亡き常陸宮の姫君の噂を聞いた源氏は、

「零落した悲劇の姫君」という幻想に憧れと好奇心を抱いて求愛した。

親友の頭中将とも競い合って逢瀬を果たしたものの、

彼女の対応の覚束なさは源氏を困惑させた。

さらにある雪の朝、

姫君の顔をのぞき見た光源氏はその醜さに仰天する。

その後もあまりに世間知らずな言動の数々に辟易しつつも、

源氏は彼女の困窮ぶりに同情し、

また素直な心根に見捨てられないものを感じて、

彼女の暮らし向きへ援助を行うようになった。

二条の自宅で源氏は鼻の赤い女人の絵を描き、

さらに自分の鼻にも赤い絵の具を塗って、

若紫と兄妹のように戯れるのだった。

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