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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

軒端荻に甘く囁く源氏【源氏物語 33 第3帖 空蝉4 】空蝉の継娘の軒端荻に甘い言葉を囁く。老女に声をかけられ焦る。老女は腹痛のためぼやきながら去る。

【源氏物語 第三帖 空蝉(うつせみ)】 
 〜光源氏は空蝉への思いを断つことが出来ない、空蝉の弟の小君(こぎみ)力を借りて彼女の寝所に近づきます。 碁を打つ空蝉と継娘の軒端荻(のきばのおぎ)を隙見した源氏。 夜もふけ寝所に忍び込んだものの、 空蝉はその気配を察知し、 蝉が脱皮するかのように小袿を脱ぎ捨てて逃げてしまいます。 残された軒端荻を一夜を過ごします。
この出来事が、彼女の空蝉という名前(蝉の抜け殻)の由来となっています。

しかし何の疑いも持たない新しい情人も

可憐《かれん》に思われる点があって、

源氏は言葉上手にのちのちの約束をしたりしていた。

「公然の関係よりもこうした忍んだ中のほうが

 恋を深くするものだと昔から皆言ってます。

 あなたも私を愛してくださいよ。

 私は世間への遠慮がないでもないのだから、

 思ったとおりの行為はできないのです

 あなたの側でも父や兄が

 この関係に好意を持ってくれそうなことを私は今から心配している。

 忘れずにまた逢いに来る私を待っていてください」

などと、安っぽい浮気男の口ぶりでものを言っていた。

 

「人にこの秘密を知らせたくありませんから、私は手紙もようあげません」

女は素直に言っていた。

「皆に怪しがられるようにしてはいけないが、

 この家の小さい殿上人ね、 あれに託して私も手紙をあげよう。

 気をつけなくてはいけませんよ、

 秘密をだれにも知らせないように」

と言い置いて、

源氏は恋人が さっき脱いで行ったらしい

一枚の薄衣《うすもの》を手に持って出た。

 

隣の室に寝ていた小君《こぎみ》を起こすと、

源氏のことを気がかりに思いながら寝ていたので、

すぐに目をさました。

小君が妻戸を静かにあけると、年の寄った女の声で、

「だれですか」

おおげさに言った。

めんどうだと思いながら小君は、

「私だ」と言う。

「こんな夜中にどこへおいでになるんですか」  

小賢《こざか》しい老女がこちらへ歩いて来るふうである。

小君は憎らしく思って、

「ちょっと外へ出るだけだよ」

と言いながら源氏を戸口から押し出した。

 

夜明けに近い時刻の明るい月光が外にあって、ふと人影を老女は見た。

「もう一人の方はどなた」

と言った老女が、また、

「民部《みんぶ》さんでしょう。すばらしく背の高い人だね」

と言う。

朋輩《ほうばい》の背高女のことをいうのであろう。

老女は小君と民部がいっしょに行くのだと思っていた。

「今にあなたも負けない背丈《せたけ》になりますよ」  

と言いながら源氏たちの出た妻戸から老女も外へ出て来た。

困りながらも老女を戸口へ押し返すこともできずに、

向かい側の渡殿《わたどの》の入り口に添って立っていると、

源氏のそばへ老女が寄って来た。

「あんた、今夜はお居間に行っていたの。

 私はお腹の具合が悪くて 部屋のほうで休んでいたのですがね。

 不用心だから来いと言って呼び出されたもんですよ。

 どうも苦しくて我慢ができませんよ」

こぼして聞かせるのである。

「痛い、ああ痛い。またあとで」

と言って行ってしまった。

やっと源氏はそこを離れることができた。

冒険はできないと源氏は懲りた。

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