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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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空蝉の弟をそばに置く源氏【源氏物語 28 第2帖 箒木17】小君は源氏の恩顧を受ける事を喜び 手紙の使いをする

【源氏物語 第二帖 💠箒木(ははきぎ)】 【The Tale of Genji  second chapter 💠Hahakigi (The Broom Tree)】 〜五月雨が降る夜、光源氏が宮中で宿直をしているところに、頭中将(葵の上の兄)ら仲間の貴公子たちが訪れた。 各々自分の恋愛体験を語り、女性を三つの品、上の品、中の品、下の品と階級に分けて自分の持論を展開します。 光源氏はこの話し合いをきっかけに、それまで縁のなかった中流の女性に興味を持つようになりました。 そして、光源氏は方違えに、紀伊守の屋敷に行くことになった。 そこで伊予守の妻で、紀伊守の継母の空蝉に契を結びます(中の品の女人) 空蝉も光源氏に心惹かれますが、あまりの立場の違いから距離をとります。

このごろはずっと左大臣家に源氏はいた。

あれきり何とも言ってやらないことは、

女の身にとってどんなに苦しいことだろうと

中川の女のことがあわれまれて、

始終心にかかって苦しいはてに源氏は紀伊守を招いた。

「自分の手もとへ、この間見た中納言の子供をよこしてくれないか。

 かわいい子だったからそばで使おうと思う。

 御所へ出すことも私からしてやろう」

と言うのであった。

「結構なことでございます。あの子の姉に相談してみましょう」

 その人が思わず引き合いに出されたことだけででも源氏の胸は鳴った。

「その姉さんは君の弟を生んでいるの」

「そうでもございません。

 この二年ほど前から父の妻になっていますが、

 死んだ父親が望んでいたことでないような結婚をしたと思うのでしょう。

 不満らしいということでございます」

「かわいそうだね、評判の娘だったが、ほんとうに美しいのか」

「さあ、悪くもないのでございましょう。

 年のいった息子と若い継母は 親しくせぬものだと申しますから、

 私はその習慣に従っておりまして何も詳しいことは存じません」

と紀伊守《きいのかみ》は答えていた。

 

紀伊守は五、六日してからその子供をつれて来た。

整った顔というのではないが、

艶《えん》な風采《ふうさい》を備えていて、

貴族の子らしいところがあった。

そばへ呼んで源氏は打ち解けて話してやった。

子供心に 美しい源氏の君の恩顧を受けうる人になれたことを喜んでいた。

姉のことも詳しく源氏は聞いた。

 

返辞のできることだけは返辞をして、

つつしみ深くしている子供に、

源氏は秘密を打ちあけにくかった。

けれども上手に嘘まじりに話して聞かせると、

そんなことがあったのかと、

子供心におぼろげにわかればわかるほど意外であったが、

子供は深い穿鑿《せんさく》をしようともしない。

 

源氏の手紙を弟が持って来た。

女はあきれて涙さえもこぼれてきた。

弟がどんな想像をするだろうと苦しんだが、

さすがに手紙は読むつもりらしくて、

きまりの悪いのを隠すように顔の上でひろげた。

さっきからからだは横にしていたのである。

手紙は長かった。

終わりに、

『見し夢を 逢《あ》ふ夜ありやと 歎《なげ》く間に

 目さへあはでぞ頃《ころ》も経にける』

安眠のできる夜がないのですから、夢が見られないわけです。

とあった。

目もくらむほどの美しい字で書かれてある。

涙で目が曇って、しまいには何も読めなくなって、

苦しい思いの新しく加えられた運命を思い続けた。

翌日源氏の所から小君《こぎみ》が召された 。

出かける時に小君は姉に返事をくれと言った。

「ああしたお手紙をいただくはずの人がありませんと申し上げればいい」

と姉が言った。

「まちがわないように言っていらっしったのにそんなお返辞はできない」

そう言うのから推せば 秘密はすっかり弟に打ち明けられたものらしい、

こう思うと女は源氏が恨めしくてならない。

「そんなことを言うものじゃない。

 大人の言うようなことを子供が言ってはいけない。

 お断わりができなければお邸《やしき》へ行かなければいい」

 無理なことを言われて、

弟は、

「呼びにおよこしになったのですもの、伺わないでは」

と言って、そのまま行った。

好色な紀伊守はこの継母が父の妻であることを惜しがって、

取り入りたい心から小君にも優しくしてつれて歩きもするのだった。

小君が来たというので源氏は居間へ呼んだ。

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