google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

中の品の女人に興味を持つ源氏【源氏物語 23 第2帖 箒木 12】源氏 、方違えで紀伊守の家に🏡 雨夜の品定めの 中の品 の家の女人 紀伊守の妹に興味を持つ

【源氏物語 第二帖 💠箒木(ははきぎ)】 【The Tale of Genji  second chapter 💠Hahakigi (The Broom Tree)】 〜五月雨が降る夜、光源氏が宮中で宿直をしているところに、頭中将(葵の上の兄)ら仲間の貴公子たちが訪れた。 各々自分の恋愛体験を語り、女性を三つの品、上の品、中の品、下の品と階級に分けて自分の持論を展開します。 光源氏はこの話し合いをきっかけに、それまで縁のなかった中流の女性に興味を持つようになりました。 そして、光源氏は方違えに、紀伊守の屋敷に行くことになった。 そこで伊予守の妻で、紀伊守の継母の空蝉に契を結びます(中の品の女人) 空蝉も光源氏に心惹かれますが、あまりの立場の違いから距離をとります。

暗くなってきたころに、

「今夜は中神のお通り路《みち》になっておりまして、

 御所からすぐにここへ来て

 お寝《やす》みになってはよろしくございません」  

という、源氏の家従たちのしらせがあった。

「そう、いつも中神は避けることになっているのだ。

 しかし二条の院も同じ方角だから、

 どこへ行ってよいかわからない。

 私はもう疲れていて寝てしまいたいのに」  

そして源氏は寝室にはいった。

「このままになすってはよろしくございません」

 また家従が言って来る。

 紀伊守《きいのかみ》で、

 家従の一人である男の家のことが上申される。

「中川辺でございますがこのごろ新築いたしまして、

 水などを庭へ引き込んでございまして、

 そこならばお涼しかろうと思います」

「それは非常によい。からだが大儀だから、

 車のままではいれる所にしたい」

と源氏は言っていた。

隠れた恋人の家は幾つもあるはずであるが、

久しぶりに帰ってきて、

方角除《よ》けにほかの女の所へ行っては

夫人に済まぬと思っているらしい。

呼び出して泊まりに行くことを紀伊守に言うと、

承知はして行ったが、同輩のいる所へ行って、

父の伊予守——伊予は太守の国で、

 官名は介《すけ》になっているが事実上の長官であるーの家のほうに

 このごろ障《さわ》りがありまして、

 家族たちが私の家へ移って来ているのです。

 もとから狭い家なんですから失礼がないかと心配です」

と迷惑げに言ったことがまた源氏の耳にはいると、

「そんなふうに人がたくさんいる家がうれしいのだよ、

 女の人の居所が遠いような所は夜がこわいよ。

 伊予守の家族のいる部屋の几帳《きちょう》の後ろでいいのだからね」

 冗談混じりにまたこう言わせたものである。

 

「よいお泊まり所になればよろしいが」

と言って、紀伊守は召使を家へ走らせた。

源氏は微行《しのび》で移りたかったので、

まもなく出かけるのに大臣へも告げず、

親しい家従だけをつれて行った。

あまりに急だと言って紀伊守がこぼすのを

他の家従たちは耳に入れないで、

寝殿《しんでん》の東向きの座敷を掃除《そうじ》させて

主人へ提供させ、

そこに宿泊の仕度《したく》ができた。

 

庭に通した水の流れなどが地方官級の家としては

凝《こ》ってできた住宅である。

わざと田舎の家らしい柴垣《しばがき》が作ってあったりして、

庭の植え込みなどもよくできていた。

涼しい風が吹いて、

どこでともなく虫が鳴き、

《ほたる》がたくさん飛んでいた。

源氏の従者たちは渡殿《わたどの》の下をくぐって出て来る

水の流れに臨んで酒を飲んでいた。

紀伊守が主人をよりよく待遇するために奔走している時、

一人でいた源氏は、家の中をながめて、

前夜の人たちが

階級を三つに分けたその中《ちゅう》の品の列にはいる家であろうと思い、

その話を思い出していた。

 

思い上がった娘だという評判の伊予守の娘、

すなわち紀伊守の妹であったから、

源氏は初めからそれに興味を持っていて、

どの辺の座敷にいるのであろうと物音に耳を立てていると、

この座敷の西に続いた部屋で女の衣摺《きぬず》れが聞こえ、

若々しい、媚《なま》めかしい声で、

しかもさすがに声をひそめてものを言ったりしているのに気がついた。

わざとらしいが悪い感じもしなかった。

初めその前の縁の格子《こうし》が上げたままになっていたのを、

不用意だといって紀伊守がしかって、

今は皆戸がおろされてしまったので、

その室の灯影《ほかげ》が、

襖子《からかみ》の隙間《すきま》から赤くこちらへさしていた。

 

源氏は静かにそこへ寄って行って中が見えるかと思ったが、

それほどの隙間はない。

しばらく立って聞いていると、

それは襖子の向こうの中央の間に集まってしているらしい低いさざめきは、

源氏自身が話題にされているらしい。

少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷

https://syounagon-web-1.jimdosite.com

 

🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネル登録お願いします🪷


 百人一首を覚えて脳活しましょ٩(๑❛ᴗ❛๑)۶💖