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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語731 第22帖 玉鬘31】 「‥夕霧を貴女の子供にしてもらっているのですから、 もう一人あったっていいでしょう。 世話をしてやってください。」花散里に玉鬘の姫君の母代わりを頼む源氏。

姫君が六条院へ移って行くことは簡単にもいかなかった。 まずきれいな若い女房と童女を捜し始めた。 九州にいたころには相当な家の出でありながら、 田舎へ落ちて来たような女を見つけ次第に雇って、 姫君の女房に付けておいたのであるが、 脱出のことがにわ…

【源氏物語730 第22帖 玉鬘30】生きていたなら私は北の町にいる人と同じくらいには 必ず愛しているでしょう。 ‥その人は才女らしい、 りっぱなというような点は欠けていたが、上品でかわいかった。

「困るね。生きている人のことでは私のほうから 進んで聞いておいてもらわねばならないこともありますがね。 たとえこんな時にでも昔のそうした思い出を話すのは あなたが特別な人だからですよ」 こう言っている源氏には故人を思う情に堪えられない様子が見…

【源氏物語729 第22帖 玉鬘29】姫君自身は、実父の手から少しの贈り物でも得られたのなら嬉しいであろうが、知らない人と交渉を始めようなどとは意外であると贈り物を受けることを苦しく思うふうであった。

姫君自身は、こんなりっぱな品々でなくても、 実父の手から少しの贈り物でも得られたのならうれしいであろうが、 知らない人と交渉を始めようなどとは意外であるというように、 それとなく言って、 贈り物を受けることを苦しく思うふうであったが、 右近は母…

【源氏物語728 第22帖 玉鬘28】源氏は姫君へ手紙を書いた。 ‥逆境に育った麗人の娘、大臣の実子も必ずしも期待にそむかないとは思われない不安さから手紙の返事の書きようでその人を判断しようとした。

「短いはかない縁だったと、私はいつもあの人のことを思っている。 この家に集まって来ている奥さんたちもね、 あの時にあの人を思ったほどの愛を感じた相手でもなかったのが、 皆あの人のように短命でないことだけで、 私の忘れっぽい男でないのを見届けて…

【源氏物語727 第22帖 玉鬘27】 思いがけぬ所で発見した娘だとも世間へは言っておいて、 貴公子たちが恋の対象にするほどにも私はかしずいてみせる」源氏の言葉を聞いて、右近は嬉しかった。

「私はあの人を六条院へ迎えることにするよ。 これまでも何かの場合によく私は、 あの人の行くえを失ってしまったことを思って 暗い心になっていたのだからね。 聞き出せばすぐにその運びにしなければならないのを、 怠っていることでも済まない気がする。 …

【源氏物語726 第22帖 玉鬘26】「事情を知っていらっしゃらない方がいられるのだからね」と源氏が隠すように言うと「私がお邪魔なの、私は眠くて何のお話だか分からないのに」と女王は袖で耳をふさいだ。

「発見したって、どんな人かね。 えらい修験者などと懇意になってつれて来たのか」 と源氏は言った。 「ひどいことをおっしゃいます。 あの薄命な夕顔のゆかりの方を見つけましたのでございます」 「そう、それは哀れな話だね、これまでどこにいたの」 と源…

【源氏物語725 第22帖 玉鬘25〈たまかずら〉】灯《ひ》などをともさせてくつろいでいる源氏夫婦は美しかった。紫の女王《にょおう》は二十七、八になった。盛りの美があるのである。

灯《ひ》などをともさせてくつろいでいる源氏夫婦は美しかった。 女王《にょおう》は二十七、八になった。 盛りの美があるのである。 このわずかな時日のうちにも美が新しく加わったかと 右近の目に見えるのであった。 姫君を美しいと思って、 夫人に劣って…

【源氏物語724 第22帖 玉鬘24〈たまかずら〉】右近は、「ちょうど七日お暇をいただいていたのでございますが‥ 山へ参りましてね。お気の毒な方を発見いたしました」と申し上げた。「だれ」と源氏は尋ねた。

右近は旅からすぐに六条院へ出仕した。 姫君の話をする機会を早く得たいと思う心から急いだのである。 門をはいるとすでにすべての空気に 特別な豪華な家であることが感ぜられるのが六条院である。 来る車、出て行く車が無数に目につく。 自分などがこの家の…

【源氏物語723 第22帖 玉鬘23】姫君は、低い身分の人を母として生まれた子供達さえも皆愛されて幸福になっている事が分かった上は、もう救われる時に達したのかもしれないという気になった。

これだけの美貌《びぼう》が備わっていても、 田舎風のやぼな様子が添っていたなら、 どんなにそれを玉の瑕《きず》だと惜しまれることであろう、 よくもこれほどりっぱな貴女にお育ちになったものであると、 右近は少弐未亡人に感謝したい心になった。 母の…

【源氏物語722 第22帖 玉鬘22〈たまかずら〉】右近は、「『二もとの杉のたちどを尋ねずば布留〈ふる〉川のべに君を見ましや』ここでうれしい逢瀬が得られたと申すものでございます」と姫君に言った。

「どうしてもお亡《かく》れになった奥様を 忘れられなく思召《おぼしめ》してね。 奥様の形見だと思って姫君のお世話をしたい、 自分は子供も少なくて物足りないのだから、 その人が捜し出せたなら、 自分の子を家へ迎えたように世間へは知らせておこうと、…